実力があったのにどうして!? 活動休止、解散してしまった音楽グループ特集

全員4オクターヴの音域を持つ

中学生ユニット EARTH

ESCOLTAのような、音楽家としてきちんと活動していて実力があったとしても売れないのが芸能界という場所。だったら何が売れる基準なんだという点が挙げられますが、それが分かるなら誰も苦労しないでしょう。ただやはり男女共通しているが、何かと象徴的な、人とは違った何かを持っていると感じさせる物があれば売れるという境界線を跨げるのかもしれませんね。そういう意味ではESCOLTAもその可能性は十分あったのでしょうが、何かが足りなかったのか。

そう考えていくと実力があっても売れない、というケースを山程見かけたことがある。筆者個人としてもだが、多くの人がいきなり過ぎる活動休止を経て、その後解散を通告されるという衝撃的な顛末を迎えたヴォーカルグループが1つある。

『EARTH』、この名前を知っているでしょうか。個人的にはかなり好きだった女性3人組のグループで、2000年代初期に登場して将来を嘱望されていた一組です。その実力は3人全員が中学生でありながら4オクターブという桁外れた声域の高さを有した。それだけでも普通の人と比べてもそうだが、プロとして活動している歌手の方々とは比較にならない音を自在に出せるという強みがある。10代前半の少女3人を発掘した事務所の目利きもあって、彼女たちの将来も決まったも同然と思われた。

しかしその後は転落としか言いようが無い状況に追い込まれてしまうのです。

中学生だからこそ

EARTHと呼ばれたグループで活動していた『東郷祐佳』・『朝長真弥』・『瀬戸山清香』の3人は、もっと正確に言うと初めてオーディションを受けたのは彼女たちが中学1年生、また瀬戸山さんに至っては小学校を卒業したばかりという年齢です。その頃から4オクターブなんて声域を出せたという時点で他の参加者とは比較にならなかっただろう。オーディションに参加し、奨励賞を受賞した3人はそのままレッスンに入り、やがてニューヨークで歌とダンスのレッスンをするという、着実にデビューまでの足場を固めていった。

満を持して2000年2月23日にデビューが決まり、彼女たちの音楽人生は始まろうとしましたが、その後の活動はあまりパッとしませんでした。デビューの年は結局デビューシングルとその別バージョンを収録した楽曲、さらに正式な2ndシングルというわずか3枚しかリリースしていない。期待の新人とだけあって音楽賞で新人賞は受賞した。

そして翌年にはアルバム1枚とシングル3枚を発売して、その後新曲発表などを控えていたものの、ここに来てなんと活動が完全に止まってしまったのです。デビューして僅か1年という時間しか経っていないのに、何があったのか。色々憶測はありますが、一番言われているのはやはり中学生だからこそ分かっていなかった社会というものの厳しさが関係していると伺える。

社会を知らない子供

今だからこそ分かるが、この頃は彼女たちを始めとした10代の遊びたい盛りな子供が多くデビューしていた時でもある。そういう時代だったのかもしれませんが、考えれば異常だ。EARTHにしてもまだ中学生になったばかりの子供に大人の社会を理解できるはずもなく、ただきらびやかな世界に憧れて入ってきた無垢な子供につきつけられる現実は、過酷な労働社会だったといえば想像がつくはずです。

誰とはいいませんが、メンバーの1人は度々遅刻をして収録を先延ばしにしたりといった悪態をついていたという。子供だからしょうがない、なんて言い訳は通じない。一度大人の社会に足を踏み入れてしまったら、学校とは違った社会のルールに従っての行動が原則だ。それこそ遅刻をするだけで多大な迷惑をかけることも多く、仕事の信用にも差し障る。いくら歌手といえどやっていいことと悪いことがあり、そうした社会的常識を知らずに行っていたというのです。事務所もその状況を改善するため教育しようとしたが、治らなかったとも言われている。

結果、将来を有望視されていた3人はさじを投げられてしまい、未発表曲も多数あり、次回新曲発表も控えていた中で自然消滅・解散という後味の悪い結末を迎えてしまったのです。ファンにすれば何があったのか、という点が気がかりでしたが、そうした事情を考えると分からなくもない話かもしれません、

それぞれの再スタート

悲しむ暇もないまま解散したEARTH、その後の進捗として3人それぞれが地元九州、あるいは首都圏を拠点として音楽活動をしているという話を最近になって耳にします。当時を知る人ほどまた3人で、という展開を望んでいる人も少なく無いと思いますが、実現しなさそうなのでそれはそれ、これはこれという感じだ。

実力云々以前に

何も知らない子供をデビューさせて金儲けのために利用する、というとあれですが事実なのでしょうがない。そう思うと当時10代で活動していた少年少女たちがどれくらい酷使されていたのか、なんて裏が見えてきて夢がなくなります。それこそまだ20代手前か前半くらいにデビューしていれば社会というものを寛容に受け入れられるのかもしれません。ですが芸能界デビューは若ければ若い方が良いと見られている。それこそ人によっては赤ちゃんから活動している、という話を耳にするほどだ。

華やかに見える一方で、裏はどす黒い世界なんだなぁと改めて痛感させられます。