実力があったのにどうして!? 活動休止、解散してしまった音楽グループ特集

90年代、爆発的人気を誇った女性ユニット

SPEEDの軌跡

Folderというグループの例を見ると、これは絶対に考えておきたいというケースが一つあります。彼らの場合は話題性こそありましたが、芸能界や当時の業界模様や市場などを鑑みると大ヒットした、と言える肩書は存在しません。デビュー曲こそ10万枚売れている、これだけならば‘今の音楽業界'の事を思えば凄いことだ。しかし当時90年代は音楽業界にとって黄金期とも言えるような時代です。ヒットする曲を輩出するアーティストによっては100万枚セールスなど容易く、それこそ一年間に何作品も達成するという今からすれば考えられないことだ。

その頃を思うとFolderというグループが思っていた以上に売れなかった、そうした落胆は関係者にはあったのかもしれません。ですが売れれば勝利、というものでもない。その当時、人気絶頂でまさに国民的アイドルグループとしてその名を馳せていた、いわばFolderとほぼ同期と言っても良い少女たちがデビューします。『SPEED』、90年代に青春時代を過ごしていた人ならご存知だと思いますが、10代前半の少女たちで構成された活力に満ち溢れた、活き活きとした等身大のスタイルが圧倒的な人気を生み出していき、やがて社会現象を巻き起こしたほど。

そんなSPEEDだが、いきなり過ぎる解散報道がメディアや新聞で告知された際には誰もが仰天した。あまりに衝撃すぎる内容に一部のファンがSPEEDの解散を阻止するために変電所へ侵入し、一時占拠して停電騒ぎを起こすという、よく分からない抗議が行われたくらいです。この行為が一体何を意味しているのかは知りませんが、あまりに突拍子もない発表だったことについては筆者も当時ニュースを見ながら思ったものです。

グループとしての記録

SPEEDが活動開始したのが1997年のこと、筆者は小学生だったが正直全く知らなかった。友人たちや校内のお昼に流れてくる音楽を聞いてこれがSPEEDだと言われて初めて理解したくらいです。それくらい疎かったので、帰宅してから母親にSPEEDって知っていると聞いたら知っていると答えた後に、『何っ? あんたまさか知らなかったの??』と言われた時には正直へこんだものだ。興味が無いんだからしょうがないだろう、と内心思ったもののあまり反抗しなかったのを覚えている。

中学生になる頃には彼女たちの歌もそれとなく耳にするようにしていたが、毎日聞くなぁという感じにしか見ていなかった。それだと流石に思春期として不味いかと思って改めて聞き直していくと、やはり彼女たちの存在もまた大きい。90年代後半において多く女性ヴォーカルグループは誕生していますが、その中でも圧倒的な存在感を放っていた。彼女たちもFolderの面々と同様に沖縄アクターズスクールの出身で、安室奈美恵の後輩という売れ込みで活躍をしていきます。

安室奈美恵さんも凄いですが、彼女たちの場合はデビュー曲から爆発的なヒットを繰り出して言ったのも印象的だ。

発売日 オリコン最高位 累計売上
Body&Soul 96年8月5日 4位 80万枚
STEADY 96年11月18日 1位 150万枚
GO!GO!HEAVEN 97年3月26日 100万枚
White Love 97年10月15日 200万枚
my graduation 98年2月18日 175万枚
ALL MY TRUE LOVE 98年10月28日 160万枚

目立った楽曲を抜粋して紹介しましたが、デビュー曲から50万枚を突破するセールスを記録し、2ndシングル以後はミリオンセールスを記録しなくちゃおかしい、というレベルでの活動記録を打ち立てていきました。この頃になると経済的な影響やセールスなどが落ち込み始めている時期だったので、事務所としては稼ぎ頭という意味で重宝していただろう。

ですがこうしたヒット曲を生み出す一方で、彼女たちを苦しめる要因も確かに存在していたというのだ。

解散を誘発したきっかけは

今となっては珍しくないほど、超有名なSPEED解散の真相についてだ。インターネットを検索するとすぐに出てくるように、一番の原因として最年少メンバーでかつグループのヴォーカルとして活躍していた島袋寛子さんの異性問題が関係しているとの事だった。その当時付き合っていたのは元ジャニーズに所属していた男性で、かなりのめり込んで解散した後は結婚して暮らす、という強固な意思を固めていたほどだという。何がそこまで彼女を本気にさせたのかについても語られていますが、男女関係という問題は他のメンバーも抱えていたというのも有名だ。

ですが目に見えて、しかもグループ解散という発端を作り出してしまうほどに事務所と島袋さんとの溝が深かったのも事実。元々解散について話していたというが、それでも人気絶頂の最中でどうしてだという思いは誰もが大きく持っていたはずです。

実力で割り切れる問題ではない

こうした点をから見れば分かるように、SPEEDという当時まさに飛び取りを落とす勢いで売れていたグループでさえちょっとした亀裂から、活動そのものが凍結されてしまうこともある。解散してからその後一時的に再開することもありましたが、やはりかつての人気には追いつけるはずもない。ですが彼女たちにすればまだ幼い子供で、右も左も分からないまま社会に飛び出し、このままで良いのかと将来を不安視するのもまた事実。結婚して家庭に入るという選択肢も含めて、少年少女の心の事を思えば芸能界とは泥沼みたいなものなのかもしれません。

今はそうした背景の理解が追いついているせいか、中々図太い子供達が多そうなのでそれはそれで考えさせられますが。