実力があったのにどうして!? 活動休止、解散してしまった音楽グループ特集

天才ヴォーカルを迎えたユニット

休止理由がよく分からない Folder

EARTHより以前、彼女たちよりも前に活動しており、それこそメンバー全員が小学生という恐ろしいほど低年齢層でヴォーカル・グループとして活動していたユニットがあります。こちらも知っている人は知っていると思いますが、『Folder』と呼ばれるユニットだ。

こちらのユニット、2000年代中盤以降に生まれた人は知らないかもしれませんが、このグループの一員だった人なら知っている人もいるでしょう。まず1人、現在はバラエティを中心にタレントとして活動しており、お笑い芸人のビビる大木と結婚した『AKINA』さんだ。彼女はこのユニットの中心的な存在の1人でもあり、後に派生する関連ユニットでもセンターを勤めている。2人目はアイドルから女優に脱却し、ドラマ『Woman』でリアル過ぎる女性像を熱演した『満島ひかり』さん。とても意外かもしれない、今となっては立派な女優さんという印象が強い。そして3人目に挙げられるのはFolderのヴォーカルで、当時から天才ヴォーカリストと持ち上げられて将来を有望視されていた『三浦大知』さんだ。彼がいたからFolderというユニットは脚光を浴びていましたが、その後は様々な紆余曲折を経て現在もヴォーカリストとして活躍し、男性ソロアーティストとすれば軒並み外れた実力者として有名です。

この3人を含んだ計7名のグループとして1997年から活動していたFolderですが、彼らもまたその道筋は約束されたモノといっても過言ではない厚遇を受けていた。恐らく本人たちもそう考えていたのかもしれませんが、前途は多難だったのです。ただそういう意味ではEARTHと比べると彼らはやる気はあっても、それを周囲の大人たちが利権という面でしか判断せず、最終的に使いまわされて捨てられたと言える状況まで追い込まれたようなものだった。

多くの才能を輩出した沖縄アクターズスクール出身

Folderというグループは『沖縄アクターズスクール』に所属していたメンバー7人で構成されています。名前をあげればわかると思いますが、第一線で活躍し続けている歌姫『安室奈美恵』さんも幼少時に所属していた、彼女の原点足りえるべき場所だ。安室奈美恵さんとFolderもそうですが、それ以外にもなんと『黒木メイサ』さんもこのスクールから芸能界入りしたというから、沖縄出身の芸能人にとってはここで見初められれば芸能人になれる、そんな印象が強いのかもしれません。

そんな粒ぞろいのスクールの中で見定められた三浦大知さんやAKINAさんを始めとした7人はやがてデビューが決定します。ただFolderというグループは三浦大知さん、彼あってのものというべきグループだ。ダンスヴォーカルユニットとして結成後、安室さんの後輩という売れ込みでテレビにメンバー交代制で出演し、話題を集めていきます。その中で一番脚光を浴びたのはメインヴォーカルで中心的な存在だった三浦さんだ。まだ小学生でありながら高い歌唱力の他、ボーイソプラノを活かしたハイトーンボイスに加え、女子メンバーのハーモニーなど同年代の少年少女とは比較にならない才能が集められたことで、一時期は『天才ヴォーカル』・『期待の新星』などともてはやされていました。この頃はまだ芸能界、というものをそこまで知らなかったので、筆者はユニット名のみ知っていた程度なので、あまり印象はない。

ただボーイソプラノ、というのものは変声期前の少年で歌唱力が極めて優れた子だけが持てるという希少性の高い人材なので、注目度も高い。しかしその分だけ、声変わりの時期を迎えるとどうなってしまうのかというと、声域は一変してしまうものだ。

変声期を理由にした活動停止

順調に活動を続けていましたが、1997年のデビューから3年後が経とうとしていた2000年に彼らの活動はパタリと無くなります。理由として、『三浦大知による変声期を伴うための充電期間』という公式発表が為された。ですがその後Folderとしての活動は停止したまま、同年には変わって女子メンバーだけで結成された『Folder5』が結成し、再始動という形で始まります。

AKINAさんをメインヴォーカルに据えて再スタートを切ったように見えましたが、それも2年という活動期間でピリオドが打たれた。その当時と比べると目立ったヒット曲もなく、言ってしまえば事務所からの解雇通知のようなものだった。三浦さんを含めた男子メンバー2名がいなくなった後も残された女子メンバーはやる気と意欲で満ち溢れていましたが、事務所からは『沖縄で別の幸せを模索した方がいい』などと言われてしまったそう。これはこれでどうなんだろうか、そう感じてしまいます。

三浦大知さんにしても現在も同じ事務所に所属こそしていますが、数年後に彼の歌声を聞いた時にはFolder時代とは打って変わって低音の男性らしい力強いヴォーカルに様変わりしていた。本人的には今でも歌えているのでいいかもしれませんが、当時のグループ方針からすれば色々相談がされていたのかもしれませんね。

ボーイソプラノが無くなるわけじゃない

ボーイソプラノなんて長続きするわけないじゃないか、という意見に対して実はそんなことはないんです。希少中の希少例ですが、世界で活躍しているオペラ歌手の中にはボーイソプラノが変声期を過ぎた後でも維持できている歌手、という方々が存在しているのだ。もしかしたら事務所もそうなるように努力したのかもしれませんが、世界でも数名程度の中に割り込めなかったようだ。

仮に三浦大知さんがボーイソプラノのまま歌手として活動を続けていたら、それはそれで日本の芸能界なんて枠の小さな所で買い潰される方が残酷というもの。そう考えると世界も視野に入れた歌手人生があったかもしれない、なんてif性が期待出来る。

その後の進展として

Folderとしての活動が本格的にピリオドを打たれた際には一部のメンバーは生まれ故郷の沖縄へと帰るか、また別の道を模索して芸能界に残る選択肢を取った人もいます。その例が満島ひかりという女優人生であったり、バラエティタレントとして開花したAKINAだったり、男性ソロヴォーカリストとして活動を続ける三浦大知さんだったりと、人生の軌跡を描けているメンバーもいる。

天才、期待、といった言葉で塗りたくられた子供達が目指した場所、先に紹介したEARTHでも話しましたが綺羅びやかに見える一方で、どす黒いものが渦巻く混沌とした世界、それが芸能界というものだ。足を踏み入れたら、才能云々に関係なく売れるか売れないかの二者択一、その天秤にかけられてしまい、傾いては行けないほうに傾いたらそのまま全てが呆気無く終焉してしまうのです。